20代に見える謎のヤリマン美女(49歳)とセックスしても実年齢を見抜けなかった話し

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20代に見える謎のヤリマン美女(49歳)とセックスしても実年齢を見抜けなかった話し

エロいい話

なかぞの 0 3,318 2019/10/31

あのときはまるで、ドッキリにかかったような気持ちになりました。

まさかあんな衝撃(笑撃)的なオチがあったとは…。

女の人って怖いなあと思った、二十歳の頃の体験です。

謎の金髪美女「キャロルさん」

高校時代から趣味でキーボードやギターを弾いていた私。大学に入ると、友人たちとバンドのまねごとを始め、メンバーの自宅に集まったり、ときどき練習スタジオを借りて練習するようになりました。
 
私たちがよく利用していたのは「スタジオK(仮名)」というところで、最寄り駅から徒歩10分の川沿いの、工場ばかりが建ち並ぶ一角にありました。
 
練習ルームは間取りが広く、設備もしっかり整っている割に料金が安かったので、学生の私たちには有難かったです。土日は深夜2時まで営業していたので、よく閉店時刻までいて、そのあと朝までカラオケボックスで歌って帰ることがありました。
 
「スタジオK」には40歳くらいの男性マスターがいて、たいていはひとりで切り盛りしていましたが、ときどきマスターといっしょに受付カウンターに座っている20代後半くらいの派手な外見の女性がいました。
 
無愛想なマスターに対して、その女性は愛想がよく親切で、初心者の私たちに機材の使い方を教えてくれたり、音の調整を手伝ってくれたりしました。
 
常連客のあいだでは「キャロルさん」と呼ばれていて、マスターとはかなり親しい間柄だと言われていました。マスターの彼女か、もしかすると奥さんかもしれないなと、私は勝手に想像していました。
 
「キャロルさん」と呼ばれているのは、彼女が以前「キャロル」という名前のクラブで働いていたからだとか、あるいは元ストリッパーで、源氏名がキャロルだったからだという話を常連客から聞いたことがありましたが、いずれも噂の域を出ませんでした。
 
本名は「みさこ」なのだと言う人もいましたが、それも誰かが勝手に言いだしたことらしく、彼女の素性を詳しく知る人はいないようで、スタジオ内ではちょっと謎めいた存在でした。
 
キャロルさんをいちど見たら忘れることはないと思います。髪は金髪で、ぱっちりした大きな目と高い鼻。身長も170㎝近くあり、初めて見たとき、彼女がサングラスをかけていたせいもあり、私はてっきり外国人の女性かと思いました。例えるなら、元AV女優の麻生希みたいな感じです。
 
彼女はよくレイバンのウェイファーラーというタイプのサングラスをかけていましたが、ハーフっぽい顔立ちのおかげで悪目立ちすることなく似合っていました。
 
服装は、革ジャンにジーンズのときもあれば、上下スウェットというラフな格好のときもありました。スタイルがよかったので、どんな服装をしても様になっていました。
 
カウンターにいるときはいつも煙草を吸っていて、銘柄はポールモールでした。
 
私にとっては親切で恰好いいお姉さんというイメージのキャロルさんでしたが、いっぽうで、あまり良くない噂も耳に入ってきました。
 
酒癖が悪く誰かれかまわず絡んでいくとか、カッとなると男相手に殴り合いの喧嘩をするとか、気分がいいときは誰とでもセックスするヤリマン女だとかいった話を、何人もの常連客から聞かされたことがありました。
 
「キャロル」という呼び名の由来と同じで、誰かが勝手に言いだしたことなのだろうと思い、私はあまり気にしていなかったのですが、その噂にいち早く興味を示した人物がいました。
 
バンドでボーカルを担当していた友人のMでした。あわよくばキャロルさんとセックスできるのではないかと考えたMは、ことあるごとに彼女の気を引くような行動をとり、常にチャンスをうかがっていたのです。

キャロルさんの正体

「スタジオK」を利用するようになって1年が過ぎた頃、思いがけないチャンスが私に巡ってきました。
 
スタジオで練習を終え、メンバーと別れたあと、ひとりで駅へ向かって歩いていました。
途中、キャッシュカードでお金をおろすためにコンビニへ寄ったのですが、そこでキャロルさんとばったり出くわしたのでした。
 
「あら、今日はもう終わり?」
 
「はい、1時間だけだったんで」
 
「そう。今から何か予定あるの?」
 
「いえ、べつに何もないですけど」
 
「じゃあ、うち来る?」
 
「え?キャロルさんの家ですか?」
 
「そう。すぐそこだから」
  
突然のことだったので、どうしようか迷いましたが、みなぎる性欲に理性が負けてしまった二十歳の私は、そのままキャロルさんについていくことにしました。
 
キャロルさんは白シャツにブルージーンズというシンプルな服装でしたが、後ろから見るヒップラインが素晴らしく、それを見たいがために私はわざと彼女の少し後ろをとぼとぼと歩いていました。
 
べつに彼女と親密になることを期待していたわけではなかったのですが、実際にこうやって誘われてみると、やはり下心を覗かせてしまう自分がいました。
 
友人のMには悪いなあと思いながらも、これから起こるかもしれないことに胸がときめいていました。
  
キャロルさんの自宅は、コンビニから5分ほど歩いたところにある古いマンションの5階でした。表札は上がっておらず、苗字を知ることはできませんでした。
 
リビングに入ると、大きなソファーとガラステーブルがありました。部屋の中は綺麗に片付いていて、全体的にモノトーンで落ち着いた雰囲気でした。
 
壁際にレスポールが立てかけてあり、その上にはパネルに入ったジミー・ペイジの特大ポスターが飾ってありました。
 
キャロルさんがオレンジジュースをグラスに入れて持ってきてくれました。
 
羽織っていたシャツを脱ぎ、タンクトップ姿になった彼女の両腕にはタトゥーが入っていました。
 
「これでよかったかな?」
 
「あ、はい。甘いもの好きなんで」
 
彼女はジーマを飲んでいました。ひょっとすると、私のことを未成年だと思っていたのかもしれません。
 
ソファーに座り、彼女と音楽の話をしていました。けっこう盛り上がり、1時間以上しゃべっていたと思います。
 
話にひと区切りついたところで、私は気になっていたことを聞いてみました。
 
「なんで〝キャロルさん〟って呼ばれてるんですか?」
 
彼女はふふっと笑い、天井を見上げて少し考えるようなそぶりを見せると、
 
「昔ね、ライブハウスで働いていたことがあったんだけどね。そこでバーテンみたいなことをやってたのよ。そういうところにいると、酔っ払って言い寄ってくる男がいるでしょ?」
 
「ああ、そうかもしれませんねえ…」
  
「でね、名前なんて言うの?って、しょっちゅう聞かれるもんだから、適当に〝キャロル〟って言ってやったら、それがいつの間にやら広まってしまったの。スタジオKに来る連中の中に、そのときの客がいてね、それでアタシのことをそう呼んでるのよ」
 
彼女はそこまで話すと、ふーっと吐息し、3本目のジーマを飲み干しました。
 
「誰かが言ってたんですけど、本名は〝みさこ〟なんですか?」
 
私が遠慮ぎみに聞くと、彼女はハハハッと軽快に笑い、「ちがう。それは娘の名前」と言いました。
 
「ええっ!キャロルさん、娘がいるんですか?」
 
「そうよ。22歳になる娘がいるよ」
 
「え…?」
 
彼女はまたハハハッと笑うと、「アタシのこと何歳だと思ってんの?」と大きな目を見開いて聞いてきました。
 
「20代後半くらいかと…」
 
「ばかー、そんなわけないでしょ。アタシ、今年で49だよ」
 
「ええっー!」
 
私は思わず大きな声を出してしまいました。
 
「タカユキから聞いてなかったんだ…」
 
「え?タカユキって誰ですか?」
 
「アタシの弟。スタジオKのマスター」
 
「ええっー!!」
 
驚きのあまり勢いよく立ち上がってしまった私。
その様子を見て、キャロルさんは可笑しそうにゲラゲラと笑い声を上げていました。
 
彼女から関係を迫られたらどうしよう、49歳のおばさんだけど美人だからいいかなあ、などと複雑な心境で考えを巡らした私でしたが、そのような展開にはならず、その後も相変わらず音楽の話ばかりしていました。結局、夕食までごちそうになってしまい、彼女の部屋を出たのはすでに終電間近の深夜のことでした。

男って鈍感なもの

キャロルさんの正体を知ってしまった私でしたが、他のメンバーにはなかなか話せずにいました。とくに彼女に対して下心むき出しだったMについては、彼が事実を知って衝撃を受ける顔を思い浮かべると可笑しくて、もうしばらく内緒にしておいて、絶好のタイミングを見計らってカミングアウトしてやろうと思いました。
 
ところが、予想外の展開になってしまったのです。
 
私がキャロルさんの正体を知ってから3か月が過ぎた頃、Mが私のところへやって来るなり、ニヤニヤしながらこう言ったのです。
 
「俺、キャロルさんとやってしまった…」
 
「ええっ、まじか?」
 
私は驚くと同時に、苦笑いを浮かべてしまいました。
 
「おお、まじやで。最高やったわ。スタイルもいいし、肌も綺麗、おまけにエロい」
 
「まじで言ってんのか?」
 
「おお、まじまじ。キャロルさん、もしかしたら俺らと同い年くらいかもしらんで。ああいうカッコイイ系のファッションしてるから、お姉さんぽく見えるけど」
 
「まじかあ…」
 
私は深い溜息をつきました。
 
「これからもちょくちょく、彼女の家に遊びに行くことになると思うわ。いずれ結婚なんてこともあるかもなあ…」
 
すっかり浮かれてしまっている友人を前にして事実を告げる勇気は、そのときの私にはありませんでした。
 
男ってよくよく鈍感な生き物なんだなあと感心すると同時に、女の人って怖いなあと、思い知らされた瞬間でもありました。
 
 
そういえば私も、中国エステの女の子と店外デートをしたとき、実年齢を知って驚いたことがありました。多少サバを読んでいることは予想していましたが、24歳だと聞いていたのが、じつは私より年上の39歳だとわかったときは正直ショックを受けました。
 
実年齢を知った直後にベッドを共にしたのですが、それまで20代だった彼女の顔がリアルに39歳に見えてしまい、体が思うように反応せず、不発に終わったという経験があります。
 
私の中に先入観があったのは否めませんが、女の人というのはメイクやファッションでそこまで誤魔化せるものなのかと感心してしまいました。
 
 
その後、Mは先輩の紹介でコピー機を扱う会社に就職し、私や他のメンバーも就職活動で忙しくなると、いつしかバンドは自然消滅してしまいました。
 
それとともにMはキャロルさんとも疎遠になり、結局、彼はキャロルさんの実年齢やマスターとの関係を知らないままになってしまいました。
 
あれから20年が経ちますが、いまだにMにはその事実を伝えていません。



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この記事を書いた人

なかぞの

大阪府生まれ。22歳で文芸同人誌に参加。文学・アート系雑誌での新人賞入選をきっかけに作家業をスタート。塾講師、酒屋の配達員、デリヘルの事務スタッフなど様々な職を転々としたのち、現在はフリーライターとして活動中。足を踏み入れるとスリルを味わえそうな怪しい街並み、怪しいビルの風俗店を探し歩いている。

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