魑魅魍魎が渦巻く世界がそこにある。
腐り物も猛毒があるリンゴだって、誰かが拾って食べる!それが勿体ないお化け改め、どんな穴もルックスだって頂いちゃう、許容範囲半端ない二丁目事情。
今日も今日とて、身体を売って日銭を稼いで満足、満足、余は満足じゃ。
セックスしてご飯を食べて、寝る前にまたセックスをすれば経済は廻るのよ!
というわけで本日は普通にノンケ人生を歩んでいたら、絶対知ることのない立ちんぼゲイボーイのお仕事事情にその気になる結末を少しだけご紹介したい。
店に所属しないフリーを選んだゲイ!幸せには繋がらない結末とは?
何人の知り合いが大久保病院の暗い病床で最期を見届けたのか、もう私は覚えていない。
彼らの共通点はフリーで売春を行う立ちんぼで生計を立てていたことだ。社会復帰を難しくする性風俗産業の中でも、立ちんぼという立ち位置は非常に脆くリスキーであることは言うまでもない。
通常これらは何らかのトラブルが原因で所属できないボーイ、または年齢や容姿がネックでそもそも門前払い(特に30、40代以降の高齢ゲイボーイ)、最後は学生やリーマンのカジュアルなお小遣い稼ぎつまりは援交目的の3パターンがある。
フリーで売春するということは、店からのバックアップが得られないが、客からもらった紙幣は全て自分のポケットマネーになる為、その日暮らしをするゲイボーイにはありがたい。
なお彼らは帰るべき場所がない者も多い。つまりは近郊のロッカールームにとりあえずの衣服、ペペやバイブ、イチジク浣腸などの商売道具をまとめてしまいこみ、宿泊は客と共にセックスをするレンタルルームで過ごすのだ。(通常ロッカーの複数使いが基本。)
臭いペニスに痒くなった頭皮はその辺に点在する発展場のシャワーで綺麗サッパリ。そして今日も日銭を稼ぐ為、街角に立ち続けるのだ。
なお彼らは嗅覚というかゲイとノンケを見分ける能力(ストレート女性とビアン含む)に長けており、ノンケに間違って声をかけるという失敗は少ない。
因みにレズビアン女性を見分けるコツは足元にあるらしく、カラフルな柄、ショッキングピンクを含むビビッドな色合いのスニーカーを履いている女性はその可能性が高いそうだ。(ただし未確認。)
みんなはどこで客を見つけるの?立ちんぼゲイの縄張りまとめ
二丁目をうろつく立ちんぼゲイの仕事場は、二丁目のど真ん中にある新宿公園、または新宿三丁目駅背後に位置する駐車場のガードレール。または駅ビルとして機能しているビッグスビルのエスカレーターだ。
ガードレールに跨って携帯をいじるもの、虚ろな目つきできょろきょろとエスカレーターを行き来しているものはほぼ立ちんぼの一種であり、後者はベルトコンベアーに乗る挙動不審な姿を揶揄し回転寿司と呼ばれている。
勿論ナンパ待ちの若者もしばし見られるが、年増の立ちんぼゲイの回転寿司はしばし腐り寿司のようだと、一種の見世物のようにゲイ界隈で笑いものになっていることも覚えておくといいだろう。
公園売春のメッカ新宿公園とあるゲイボーイの人生
OLがランチョンマットを敷き慎ましやかにランチ、または野良猫に餌をやる周辺住民の憩いの場として機能、しかし夕刻~深夜になるとここぞとばかりにゲイが集まりナンパまたはゲイ売春を行うのが新宿公園である。
長い改装工事を経て生まれ変わった新宿公園ではあるが、その根本的な性質は何も変わらない。週末にもなればどこからともなく現れる変な奴らは、いつも金の匂いとイカ臭さを目印にその獲物を探すのだ。
週末深夜にたむろするタクシー運転手のペニスを狙う年増女装子の立ちんぼ、ぎらついた目線で美少年をサーチする韓国人スカウトマン。そして公衆便所に目をやれば野外発展というパラダイス、まさに新宿二丁目は日本にあって独特の文化に規律が成り立つ治外法権なり。
新宿公園は二丁目の中心に位置する立地がゆえに、昔から野外発展、ナンパのメッカ。ギラギラの視線でリッチな親父を探すのにはピッタリの場所である。昼間の穏やかな陽光とは頃なるカオスがそこには渦巻いているのだ。
しばし人の色情が渦巻く場というのは地場か何かが狂い、あまり好意的ではない霊を呼び寄せると言うが、新宿公園でも男と男の売春、恋の駆け引きが原因で大きな事件が起きたこともあった。
今から約15年前のこと、売り専で働くゲイボーイを巡り、ある男性がナイフで刺されるという悲惨な事件がこの公園で起きた。
そんな血生臭い事件はもう既に風化してしまったが、その当時20そこそこだった私は鮮明に覚えている。
いつもパリッとした黒い背広を着こなすブラジル人スカウトが、「〇〇の墓」と乱雑な文字が刻まれた木片を前に小さな野菊を捧げていた光景……。最近の二丁目はポリスの巡回も増え、比較的穏やか色街、ゲイタウンになり、むしろ日本が誇るインターナショナルな観光地としての地位を築いているという。
今でも変わらぬ、赤線時代からの光景
大きな笑い声と巨大な被り物にドレスを着こなしたドラッグクイーン、酔いつぶれたOLを解放するレズバーのママ。
いつもの光景を通り過ぎ、ちょっと路地に入れば聞こえてくる荒い鼻息と「パンパン」と響くリズミカルで卑猥な音色。そしてふと背中に目線を感じれば、そこには前歯の欠如した50前後のオッサン売春夫が声をかける。
「オニーサン。5,000でおチンボしゃぶり、アナルマンコは1万でイイヨ!」
と無理やり雑居ビルに連れ込もうとする微笑ましい光景はまだまだ健在。
新宿二丁目の立ちんぼ事情、それは長編ドキュメンタリーもノンフィクションドラマさえ作れてしまう、そんな濃密な人間物語が垣間見れる場所。ただし興味本位で新宿二丁目というドアを叩くなかれ、これが元売りマネージャーからのアドバイスである。
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