会社への愛は金で買えるが、仕事への愛は金で買えない｜西園寺みやび／キュア＆マジック

会社への愛は金で買えるが、仕事への愛は金で買えない

2024/03/22 (金) 23:25:21

保育園の管理職によるパワハラや人手不足で、

12人の保育士のうち、10人が離職した保育園がある。

この保育園では、4月から100人以上の子どもを受け入れる予定だったが、

職員不足で、新規の受け入れは厳しくなると言われている。

この保育園では、人手不足により、

常にギリギリの人員で運営していたらしい。

「これ以上、人手不足状態が続くなら、

　子どもの安全を確保できない」

そして、保育士たちは、一斉に退職届を提出した。

保育業界は、慢性的な人手不足だ。

私も、中学生の頃に、保育士になりたいと思っていた時期があったが、

給料が安く、一人暮らしをしながら、

奨学金を返済する自信がなかったため、

保育士になるのを諦めた記憶がある。

そこまで、苦労して保育士になっても、

人手不足の状態で、子どもを見ることになる。

介護業界も似たような状態だから、言わんとすることは理解できなくもない。

仮に、事故でも起こしたら、責任を取らされるのは、有資格者である現場の人間だ。

人手不足は、経営側の責任なのに、

それで訴えられたら、たまったもんじゃない。

これは、介護・保育あるあるだけど、

経営陣は、金を出してるだけで、

現場で働いた経験はない、みたいな人が多い。

だから、今回のニュースでも、

保育士は「コマ」みたいなパワハラ発言ができたのだろう。

どれだけ保育士の仕事を愛していたとしても、

その愛は、給与の低さや、待遇の悪さによって、削がれてしまうことがある。

でも、仕事への愛とは、そう簡単に買えるものではない。

会社への忠誠心や愛などと言うものは、

ある程度、金で買うことができるが、

職業を愛する気持ちは、

金で買うことができないからな。

そんな大事なものを、見失わせてしまうほどの扱いしか、してこなかったということだろう。

だって、保育士なんて、最低でも専門卒で、

給与も安いのに、それでも目指すんだから、

基本的には、仕事自体を愛してる人が多いんだよ。

そういう人たちが、仕事を放棄するというのだから、よっぽどのことだろう。

続く。