【特選ロマンポルノ5】エロ真面目ってジャンルがあるなら『肉体の門』

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【特選ロマンポルノ5】エロ真面目ってジャンルがあるなら『肉体の門』

ロールキャベツ・すばる 0 3,233 2015/07/13

http://www.dmm.co.jp/digital/nikkatsu/-/detail/=/cid=141nkt145/
肉体の門|DMM

今回で特選日活ロマンポルノシリーズも最終回を迎えました。今回はエロだけでない! 日活の本気を見ていきましょう。

『肉体の門(1977年)』

この作品はもともと田村泰次郎の小説『肉体の門』が原作で、今回ご紹介する77年版の他に、同タイトルで48年版(東宝)・64年版(日活)・88年版(東映)が発表されています。また田村の『肉体の門』『埴輪の女』の両作品をベースにした『女体』(64年東宝)が製作されたり、新宿の劇団空気座による芝居が1000回を超える大ヒットロングランになったりするなど、あまたの人々を熱中させてきた作品です。

舞台は敗戦後の昭和21年、主人公は焼けた東京の片隅で焼けビルをねぐらにする街娼たち、いわゆる「パンパン」のグループです。グループは小政(こまさ)の「せん」を筆頭とし、肺病持ちのフーテンお六、ちゃっかりもののジープの美乃、もともと良家の嫁だった町子、そして新入りのマヤで構成され、厳しい掟のもと夜の街に華を咲かせていました。

映画作品はそれぞれさまざまな角度から原作小説『肉体の門』を切り取って描かれていますが、いずれの作品も、ひとクセもふたクセもある彼女たちがやくざ者たちと抗争を繰り広げたり、ある日突然転がりこんできた新太郎という男に枯れたはずの女心を再燃させられたりすることでお話が進展していきます。

見どころ

77年版の今作の見どころは、「せん」を主軸とした他の『肉体の門』作品と異なり、新入りのマヤという少女にスポットライトを当てているところでしょう。マヤは兄を戦争で亡くし、ひとり街の隅で震えているところを「GI」つまりアメリカ進駐軍の男たちにレイプされてしまいます。

しかしそこは女のたくましさというか、茫然自失の時に出会った女たちの「他に売るモンがなきゃ、体を売るしかないじゃないか」という言葉に感化され、自ら「パンパン」になることを選びます。時には仲間だった女をリンチし、時には男に恋をして、何も知らなかったウブな少女が女として強く図太く成長していく様子は感慨深いものがあります。

マジメにどうでもいい話

あるブログで『日本の風俗嬢』という本が紹介されていました。それによると日本の風俗で働く女性は30万人以上いるそうです。どういう試算で出た数字なのか不明なので大幅な数字の前後はあるでしょうが、 「20歳から34歳の女性人口は約1000万人なので、風俗嬢人口が35万人とすると、この年齢層の女性の28人に1人が風俗嬢」という計算はオドロキ桃の木山椒の木。

これってどれくらいの割合なんだろう、と思って、国交省のデータを穿り返してみたところ、平成25年度日本で最も混んでいる午前8時台の京浜東北線1本あたりに乗っている乗客数が約2960人、首都圏で定期を購入した全ての人のうち20~34歳の女性の割合が約17%、また上記の本によれば20~34歳女性における風俗嬢の割合が約4%なので、

2960人×17%×4%=18人

つまりMAX通勤ラッシュの京浜東北線には1本あたり18人、1両あたりでは1~2人の風俗嬢が乗車している概算になります。…意外にいるなあ。

ちなみに2006年に国立女性教育会館が行った調査によると「お金を払って性的サービスを受けた経験がありますか」という質問に「よくある」「たまにある」と答えた男性は合計で約14%だったそうですから、通勤ラッシュの京浜東北線で言うと1両あたり25人の男性が定期的に利用している概算になります。これも結構多いな!


まあずいぶん映画から脱線しましたが、またひとつどうでもいいエロ雑学が増えたところで、日活ロマンポルノを独断と偏見で選ぶ今シリーズも終了です。といって次回更新では日活以外のピンク映画をご紹介するつもりなのでそちらもひとつどうぞよろしく。

それではみなさん、また逢う日まで! しばしのお別れなのでありました〜。


参照:
BLOGOS>『【読書感想】日本の風俗嬢』http://blogos.com/article/94169/
国土交通省>『主要区間の路線の混雑率データ(平成25年度版)』https://www.mlit.go.jp/common/001050444.pdf 
国土交通省>『平成22年における鉄道利用状況の分布』http://www.mlit.go.jp/common/001001523.pdf 
国立女性教育会館>『人身取引(トラフィッキング)問題について知る』>第4章 課題解決に向けてhttp://www.nwec.jp/jp/data/5131ce920ceacec8cb353d28880091a7.pdf 




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この記事を書いた人

ロールキャベツ・すばる

見た目は草食、中身は肉食、干瓢で縛られないと身が崩れてしまいます(爪楊枝で串刺しなんてご無体なっ…!)。主な収入源はエロ記事作成、官能小説家を目指して毎夜パソコンと格闘しています。

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