女子大生が浣腸プレイにハマって、人間をやめようかと思った話をする。
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シリーズ【女子大生の、夜のあのねのね。】
どうしようもなく嘘つきな男だった。
嘘ばかりついていた男だった。本当のことなんて何一つないんじゃないかと思えるほどに。今だってわたしは彼が何を考えていたかなんてわからないし、わかりたくもない。
そんな男の話である。
“応援したいから、それだけの気持ちで今は充分だから…”
彼はそう言いつつ、お会計と共に10万円を机に置いた。新規の客、しかも単独でこの額は珍しい。
まだ若い。独立すべく飲食店で働いていると彼は言っていた。高校生が頑張ってオシャレしたような、野暮ったいファッション。とても、飲み代でそんな額を使うようには見えなかった。
“え…大丈夫なの? 結構な、額だけど”
いいよいいよ。彼は手のひらをヒラヒラさせて答える。俺、それぐらいのお金なら君を応援するために使ってもいいと思ってるからさ。
飲食店勤務で週2回高額を支払う男の変貌
彼は来週2回、店に来た。またまた高額な額を落としていく。飲食店勤務の手取りは知れている。どうして彼はそんなにわたしにお金を遣ってくれるのだろう…。
痛いことを言うのでもない。付き合って、デートしてとすら言わない。この距離感が謎だったのだ。わたしは次第に彼に興味を持つようになり、自分からアフターに誘った。
彼がどうしようもなく痛いことに気づいたのは、そこからである…。
キャバクラの勤務中、携帯が鳴った。
“俺のこと、騙してるだろ”
急にこんな文面で。わたしは目を疑った。正直、健気な彼に惹かれ始めていたからだ。
“そんなことないよ。どうしたの…いきなり?”
“いきなりも何も、お前とはもう終わりだ。この詐欺女!”
売上の中で彼の占める比重は大きくなりそうな感触がしていた。彼とは2回ほどアフターしたけれど、何もまだ始まっていない関係だった。
“どういうこと、いきなり…”
“二度と連絡してくるのをやめるか、いまからキャバクラ早上がりして会うか、どっちがいい?”
…それが彼の本性だったのだ。
その日は結局、会わずに終わった。なぜなら、彼からの連絡が途絶えたからである。わたしは不安だった。なぜいきなり、そんなことを言われてしまったのか。
“君のこと、ただ純粋に応援したいんだ。一緒に夢を見たいんだ”
キラキラした言葉を思い出す。そこそこの結果を出していたとは言え、わたしは水商売をやるにはまだまだ弱かった。お客さんの気持ちに依存するところがあったからだ。
次の日の昼、LINEが鳴った。
“昨日はごめん”
長文をスクロールしていく。そうすると、昨日は酒を飲んでいたこと、そしていまの自分がかなり無理をしてお金を捻出していること、自分の夢などが書かれていた。
“だから、終わりにしよう”
いつのまにか爆弾客に変貌していった
始まってもいないのに終わりを切り出され、わたしは納得できなかった。一度も、店に来てとは言っていない。高額なお金を使って欲しいとも言っていない。
“嫌だ…”
わたしはこの人と離れたくない。何度も何度も説得した。そして、一応付き合い始めることとなる。
だが、彼の不安定な言動はエスカレートする一方だった。海外勤務になるかもしれない、親が病気になった、と様々な理由をつけて“もう会えないかもしれない”と言う。次第には、彼はわたしの仕事すら邪魔するようになる。
“おい!なんで俺が店行くって言ってんのにLINE返さねーんだよ”
ベロベロに酔っ払って、怒鳴り散らしながら彼はやってきた。出会った時とはまるで別人だ。目が据わってしまっている。
他の客を何組か接客中であったわたしは、当然携帯を見ることはできなかった。周りを無視した言動に視線が集まる。恥ずかしい。でも、わたしはもはや彼に執着し始めていた。
“ねぇ、ちょっといいかな? あの人荒れてて、他の女の子も手がつけようがない。ちょっと、席についてくれない?”
店長が耳打ちする。
彼は爆弾だった。そこそこの頻度でそこそこの額を使う代わりに、ありえないワガママでわたしを困らせた。ヘルプは拒否。わたしが席につかないと暴れようとする。時には、自演でお金が盗まれたと騒ぎ出すこともあった。
“もう、彼に関しては、お店としては出禁にしたいんだよね…。他の女の子も、他のお客さんも迷惑してるんだよ”
ボーイはそう言った。客の管理不足はわたしの監督不足である。肩身が狭かったが、わたしはもはや意地になっていた。
“彼はわたしに必要なお客さんなんで。結構な額を使ってくれますし…”
ちらりとカレンダーに目をやる。もうすぐ、大きなイベントが控えていた。
“きっちり、お金も使ってくれると思うんです”
手間がかかればかかるほど、苦労すればするほど、時間をかければかけるほど、わたしは彼と離れるのを拒んだ。ドロドロとした底無し沼に堕ちてゆく。相手がどの方向を見ているのか、お互いにわからないまま。
恋人のような客とキャストのような奇妙な関係は続いた。
怒涛のLINE着信と無理な約束の果てに
“まただ…”
彼から怒涛のようなLINEの嵐が届く。接客中にも、エンドレスで届くLINE。彼は気分でコロコロ言うことが変わった。特に、お酒が入るとそれは輪をかけてひどいものになった。わたしはそのたびに目の前にちらついた彼の顔…というよりは、諭吉の顔に必死に呼びかけていた。
“これで終わりにしたくないから…”
仕事終わりに勝手にラブホテルで待っているとの連絡が入ったり、と思えばどこかで酔いつぶれて路上で夜を過ごしたりするような人だった。朝方でも夜中でもお構いなしである。わたしはストレスが極限に達していった。手間がかかって面倒な客ほど、意地になってしまう。こんなにこじらせている人だから、いいお客様になってくれるかもしれないと。でも、もしかしたら…羨ましかったのかもしれない。感情を剥き出しにしてくる彼らのことが。きっとわたしは、何かに心から憤ったり感動したりすることに飢えていたのかもしれない。それはわたしのことが特別だからぶつけてくる感情ではなくて、結局は誰でもよくてぶつけている感情だったのだけれど。
ある日、彼は言った。
“俺ね、お前のイベント、応援してるから。100万ぐらい遣ってもいいと思ってる”
準備もした。お店に報告もした。そのつもりだった。
彼は飛んだ。
守れない約束ならしなくていい。でもやっぱり、最後の100万は別としてそれなりのお金を使ってくれたからこそわたしと彼の関係はあったのかもしれない。“何もしなくても好きだよ。”は、あまりにも空々しい。結局欲に塗れあった関係だった。そうして相手をズタズタにしてしか愛情を感じられない、そんな人だったのかもしれない。最初から欲で始まって欲で終わった関係だった。
後日談。
ふと、度々ある番号から着信が入ることに気がついた。水商売を上がってしばらくになるが、客から連絡が来ることは珍しくないので、どうせ昔の客だろうと折り返さなかった。
“元気ですか?”
ショートメッセージがその番号から来たので、わたしは返した。“誰?”
そう言うと、その主は昔一瞬だけ働いたキャバクラと、適当な苗字を告げた。心当たりはない。首を捻った。
“彼氏ができたから、キャバクラやめたの。じゃあね”
“じゃあ、別れたらよろしくお願いします”
失礼な人だな。一体誰だろう。一見でついた客だろうか。
すると、懐かしいあだ名が入った。何度も何度も同じあだ名で、彼はわたしを呼んできた。そしてそのあだ名で呼ぶのは、あの例の彼しかいないことに気がつく。
どうせまた酔っ払って思い出して、その度に着信を残していたのだろう。彼は何も変わっていない。年月が流れても、彼は嘘と共に未だに生きている。
スマホを放り投げて、わたしは記事を書こうとパソコンの電源を入れた。あなたはまだあの日のままなのね。わたしは、新しいわたしを始めたから。だから。もう、あなたの嘘も愛せない。
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