高校生の頃、夏休みになるとよく友達どうしで市民プールへ遊びに行った。
お金もかからずサクッと遊べるうえに、ちょっと視線を緩めたら、そこは「エロ」であふれかえるパラダイスのような場所だったのだ。
今回は、そんな市民プールにまつわる高校時代の思い出話を、ちょっとエロい目線で語ってみたいと思う。
痴漢は犯罪です!
市民プールの敷地は広く、3種類のプールがあった。小さな子供でも遊べる浅いプール、水深が1.2mの大きなプール、そして水深が1.8mもある競技用のプール。
競技用のプールは一般的な学校のプールと同じくらいの大きさで、距離も25mだったが、水深が深いため、15歳未満は大人の付き添いが必要だった。さらに注意書きの看板には、「泳ぎが苦手な方の入場禁止」と書かれてあった。
ぼくたちは、たいてい水深1.2mの大きなプールで遊んでいたのだが、夏休み中はかなり混雑していて、手足を伸ばして泳ぐのは無理だったから、仲間どうしでしゃべりながらプールの中をぐるぐる歩き回っていることが多かった。
市民プールへは男ばかり4、5人で行くこともあれば、女の子を2、3人誘って行くこともあった。女子がいるのといないのとではテンションの上がり方が全然ちがう。ただ、そのせいで調子に乗り過ぎてしまうこともあった。
男子メンバーはたいてい同じ顔ぶれで、ぼくの他に、赤坂と杉岡という同じクラスの男子ふたりは必ず同行していた。3人ともエロいことには目がなかったが、中でも赤坂は大の女好きで、女の子がいると必ずちょっかいを出していた。
夏休みの混雑ぶりは相当なもので、周りの人と体が触れ合ったり、ぶつかったりすることはしょっちゅうで、潜っていて顔を出したところに見ず知らずの女性の胸があってドキッとしたこともあれば、潜水しながら泳いでいた女性が、どういうわけかぼくの股間に頭から突っ込んできたこともあった。そんなことがあるたびに危うく勃起しそうになり、必死に平静を保つ努力をしなければならなかった。
そんな大混雑の状況を利用して、友人の赤坂はさり気なく痴漢行為をはたらいていたのだ。
いっしょに遊びに来た女子メンバーに対しては、不意を装って腕や背中に触れたり、足の指で彼女たちの尻をつんつんしたりして楽しんでいたし、見ず知らずの若い女性にも、たまたま足を滑らせてぶつかったように見せかけ、彼女たちの尻や胸もとに頭からダイレクトに突っ込んでいくのだった。
ぼくや杉岡も、いっしょに来た女子メンバーに対しては下心を覗かせて、隙を見てさり気なく体に触れることはあったが、やはり罪悪感がないわけではなかった。
ところが赤坂は、そのていどのことでは満足できなかったようで、さらに行為をエスカレートさせていった。
あるとき、ぼくが誘った他校の女子3人に対し、赤坂がちょっと度が過ぎる悪戯を仕掛けたことがあった。その日はあまり混雑していなかったこともあり、ぼくたちは男女3人ずつのチームに分かれて、ビーチボールで水中バレーボールをして遊んだ。
時代は90年代後半、ちょうど女性の水着の流行がワンピースからビキニへと移り変わって行った時期。このときの3人の女子も流行の柄物のビキニを身に着けていた。
女の子のひとりが相手側から来たボールをボレーしようと構えたとき、赤坂が彼女の背後に回った。後ろへ下がろうとした彼女は赤坂とぶつかり、倒れそうになって「キャッ!」と声を上げた。その瞬間、赤坂は彼女の体を支えるように見せかけて、背後から思い切り抱きしめたのだった。しかも、彼の右手はしっかり彼女の胸を掴んでいた。
「キャーッ!」
女の子は悲鳴を上げ、とっさに体を縮めて身を守るような恰好をした。
赤坂は彼女から体を離すと、「ごめんごめん、倒れそうになったから危ないと思ってつい…」と、申し訳ないといった感じは少しもなく、どこかうれしそうな口調で言った。
「もぉー、何してんのよ変態!」
彼女のほうもそれほど気にしている様子はなく、笑顔を見せていたが、さすがにちょっとやりすぎじゃないかと、ぼくは思った。杉岡もぼくのほうを見て苦笑いを浮かべた。
そのあと、赤坂の悪ふざけはさらにエスカレートし、そのせいでのっぴきならない事態が起きてしまった。
しばらくしてチーム替えをした。ぼくは赤坂と、ロリカワ系の小柄な女の子といっしょになった。赤坂は最初からその子を狙っていたようで、積極的に話しかけていたのだが、彼女のほうは赤坂にあまり興味がなさそうな感じで、終始素っ気ない態度だった。
それでもなお彼女の気を惹きたいと思ったのか、不必要に髪の毛を触ったり、水着の紐を引っ張ろうとしたりして、ちょっかいを出していた。そのたびに彼女のほうも嫌そうな顔をして、赤坂のことを避けている様子が見て取れた。
最悪の状況が訪れたのは、ゲームを終えた直後のことだった。
水中に潜った赤坂が、いきなりロリカワ系の女の子のビキニを引っ張り下ろしたのだった。
驚いた彼女は溺れそうになり、水の中でもがいた。水面から顔を出すと、苦しそうな喘ぎ声を上げた。
ビキニが膝のあたりまでずり下ろされていて、形のよい尻がむき出しになっていた。
彼女は慌てて水着を引っ張り上げたが、黒々とした陰毛に覆われた部分がはっきりと見えてしまった。少し離れたところにいた杉岡や他のふたりの女子は、何が起きたのかしばらく理解できず、呆然としていた。このとき、ぼくの股間はすでに半勃起状態だった。
逃げるように慌ててプールサイドへ上がったロリカワ系の女の子は、近くのベンチに腰を下ろすと、両手で顔を覆って泣き出してしまった。
他のふたりの女子が駆け寄り、彼女をなぐさめていた。
ぼくと杉岡が近寄ろうとすると、他のふたりがキッとぼくたちを睨みつけた。
いちばん最後にやって来た赤坂に、彼女たちふたりが詰め寄った。
「何してくれてんのよ!謝ってよ!」
彼女たちは怒りを露わにした。
赤坂が少し怯えた様子で「ごめん」と小声で言うと、彼女たちはあきれ果てた顔でベンチのほうへ戻って行った。
「わたしたち先に帰らせてもらうから」
ひとりがぼくに言った。
泣いてうなだれているロリカワ系の女の子の肩を両側から抱きかかえるようにして、彼女たちは帰って行った。
翌日、ぼくは彼女たちのひとりに電話をかけ、プールでの出来事を謝り、赤坂もよく反省していることを伝えた。ぼくが声をかけて来てもらった女の子たちだったから、やはりぼくからもひとこと謝っておくべきだろうと思ったのだ。
電話でのやり取りの中で、ロリカワ系の女の子が事件が起きる直前に赤坂に対して「キモイ」とか「変態、死ね」といったあからさまな暴言を吐いていたことがわかった。彼女もそのことを反省しているそうで、今回のことは水に流してくれた。
電話の彼女は「また機会があったら誘ってね」と言ったが、ぼくのほうから再び彼女たちを遊びに誘うのはやはり気が咎め、以後いちども会うことはなくなってしまった。
ラジオ体操は目の保養
ぼくたちが通っていた市民プールでは、1時間おきに「只今より場内点検とラジオ体操をおこないますので、みなさんいったんプールから上がってください」といった場内放送が流れた。
利用客は全員プールサイドへ上がり、まもなくラジオ体操が始まる。そのあいだにスタッフが、プール内に何か物が落ちていないか、溺れている人がいないかなどを点検した。
じつはこの時間が、ぼくたち男子高校生にとっては楽しみのひとつでもあったのだ。ラジオ体操への参加は任意で、べつに飲食したり寝ていても構わないのだが、ぼくたちはできるだけ多く参加するようにしていた。
ラジオ体操では、監視員の人たちが前に出て手本を見せた。監視員の半数くらいは女性で(おそらく大学生のアルバイトだと思う)、みなTシャツと短パンの下に競泳用の水着を着用していた。
中には短パンをはいていない女性もいて、Tシャツの裾から水着がチラ見えすることがあった。監視台に座っているときに、たまに運よく彼女たちの股間が覗けてしまうこともあった。
ぼくたちのようなエロいことに目がない男子高校生は、そういうことを目当てにラジオ体操に参加していたのだった。
ラジオ体操の種目には、腕を上に伸ばしたり大きく回したりするものが多く、上に伸びあがったときにTシャツの裾から水着がチラ見えする瞬間が何度もある。それを見逃さないよう、ぼくたちは常に女性監視員のほうに目を凝らしていた。
レアなパターンだが、女性監視員がTシャツも短パンも脱いで水着一枚になっていることがあり、そんなときぼくたちは最前列に並んでラジオ体操に参加した。
競泳用の水着は胸パッドが付いておらず、薄い生地を通して乳首の形が浮き出ていることがあるのだ。いわゆる「胸ポチ」とか「乳首ポチ」というやつだ。
それを見たいがために、わざわざ最前列に陣取ってラジオ体操に参加していたわけなのだ。
もちろん、乳首だけでなくワキや下半身のVラインにも、ぼくたちの視線は釘付けになっていた。
競技用プールで女子水泳部員の股間を拝む
最初のほうでも書いたが、市民プールには水深1.8mの競技用プールがあり、たまに近隣の大学の水泳部員と思われる若い男女が練習していることがあった。
女子部員はみなハイレグの競泳用水着を着ていて、その姿を観察したいがために、ぼくたちはたいして泳げもしないのに競技用プールへ入っていった。
競技用プールとなっていたが、レーンロープはなく、周囲の邪魔さえしなければ縦横に自由に泳ぐことができた。
赤坂はカナヅチだったから、プールの縁につかまりながら彼女たちの練習をこっそり盗み見るだけだったが、ぼくと杉岡は女子部員の近くまで行って少しくらいは泳ぐことがあった。
スイスイ泳ぐ女子部員たちのあとを必死について行くと、たまに絶景を拝めることがあった。たまたま彼女たちが平泳ぎをしているタイミングに出会うと、後ろから競泳水着の股間のきわどい部分を眺めながら泳ぐことができるのだった。
あるとき、ひとりの女子部員の股間を至近距離で見てしまい、ぼくは水中で思い切り勃起してしまったことがあった。
潜水が得意な杉岡は、女子部員が泳いでいるあたりでプールの底へ潜り、下から彼女たちの姿を眺めるという芸当をやってのけた。しかし、この行為が練習を妨害していると監視員から注意を受け、ぼくたちは競技用プールから出て行かざるをえなくなった。
それでも、後日また市民プールへ来て、監視員が前回とは別の人物だとわかると、懲りずに同じことをやっていた。
そんなふうにして、ぼくたち男子高校生の夏は過ぎて行ったのだった。