今回は、私が酒屋の従業員として働いていた頃に体験した、ちょっとエロいエピソードをお話ししてみようと思います。
欲求不満の若い主婦
酒屋での私の主な業務は、飲食店への配達でした。もちろん、店内での接客や一般家庭への配達もありましたが、夕方以降はほとんど飲食店への配達業務にかかりきりでした。
店の裏通りにけっこう大きな倉庫があって、配達に行くときはそこで必要な商品をピッキングし、納品先へ向かうことがほとんどでした。
倉庫が建っている通りには十数軒の古い民家が軒を並べていましたが、その中に一軒だけ新築の大きな家があり、3歳くらいの小さな子供のいる若い夫婦が暮らしていました。
その家の奥さんは見た感じ20代後半くらい、髪はショートで、女優の三浦理恵子みたいな可愛らしい顔立ちをしていました。配達の準備で倉庫に出入りしているときに、ときどき見かけることがあり、顔を合わすと会釈するていどの関係でした。
その年の5月のことです。私が倉庫の前でトラックに商品を積み込んでいると、その三浦理恵子似の主婦がやって来て、「配達って、してもらえるんですか?」と聞いてきました。
「ボトル1本からでも配達できますよ」と私が答えると、彼女は缶ビールの500ml缶を1ケース配達してほしいと言いました。
缶ビール1ケースくらいなら自分で持って帰る客が多いのですが、500ml缶だとけっこう重いので、配達を依頼されることがたまにあるのでした。
私はそのあとべつの配達が何件かあったので、注文内容を先輩従業員の男性に伝え、その主婦のところへ持って行ってもらうよう頼んでおきました。
主婦の透けブラ、下着チラ見え
私が配達から戻って来ると、先輩従業員が何やら嬉しそうな顔で話しかけてきました。
「あの奥さん、えらい色目使ってくるなあ。あれはぜったい欲求不満やで。亭主とうまくいってないんとちゃうか」
そのときはさほど気にも留めていなかったのですが、それからしばらくして、先輩従業員が言っていたことが正しかったとわかりました。
その日の昼過ぎ、配達の準備をするために倉庫へ向かうと、例の主婦が家の前で子供を遊ばせていました。
私が「こんにちは」と言うと、彼女はどことなく恥ずかしそうな顔をして「こんにちは」と返してきました。
うしろを通り過ぎるとき、私は思わず彼女の背中を凝視してしまいました。
彼女は白色のTシャツにジーンズという恰好だったのですが、ピンクのブラジャーが透けて見えているうえに、しゃがんで前かがみになっていたせいでパンツがチラ見えしていたのでした。パンツもブラジャーと同じピンク色でした。
通り過ぎたあと、ちらっと振り返ると、彼女が色目づかいで私を見ていました。先輩従業員の言っていたことは本当だったんだと思いながら、私はちょっとばかりエロい妄想を膨らませてしまいました。
露出度の高い服装で誘惑
2週間ほど経った頃、私がいつものように倉庫で作業をしていると、また例の主婦から配達の依頼がありました。そのあと配達の予定もなかったので、私が缶ビールを届けることになりました。
彼女は「ありがとうございま~す」と鼻にかかった甘ったるい声で言い、玄関のドアを手で押さえながら私を迎え入れてくれました。
その日の彼女はTシャツにショートパンツという、いつもより露出度が高めの服装でした。
「どちらに置きましょう?」
私が聞くと、彼女は「あ…」と言って手を差し出しました。
500ml缶1ケースを重たそうに胸に抱え、部屋の奥へ持って行ったのですが、その後ろ姿に私の目は釘付けになってしまいました。彼女のショートパンツから下着のラインがくっきりと浮かび上がっていたのでした。
彼女は戻って来ると、「おいくらですか~?」と聞きながら上り口にしゃがみ、財布からお金を取り出しました。
私は玄関先に立っていて、彼女のTシャツの胸元を覗き込むかたちになっていました。
彼女は小銭を数えるのにわざと時間をかけているようで、そのあいだ私は、興奮を抑えながら、薄水色のブラジャーに包まれた胸のふくらみを眺めていました。こんなところで勃起してしまってはさすがに気まずいので、必死に平静を保つ努力をしていました。
料金を受け取って玄関を出るとき、彼女は明らかな色目づかいで私を見てきました。
主婦の乳首
その後も2週間から3週間おきくらいに、その主婦から缶ビールの配達を頼まれました。
彼女が店に買いに来たことはほとんどなく、たいてい私か先輩従業員が倉庫で作業しているときに声をかけてくるのでした。
とはいえ、迷惑だと思ったことなど一度もありません。店としては商品を買ってもらえるのは有難いことですし、たびたび色仕掛けで攻めてくる彼女に、私もひそかに期待するところはありました。
その日の午後、また彼女が声をかけてきました。ちょうど配達に出る直前でしたし、先輩従業員が休んでいたので、届けるのが夕方以降になっても構わないかと彼女に聞きました。
それなら7時頃に持ってきてほしいと彼女は言いました。
十数軒の配達を終え、彼女の家のインターフォンを押したのは7時を少し過ぎた頃でした。
ドアを開けて出てきた彼女の体からは、お風呂上りとわかる石鹸の匂いがしていて、髪もまだ少し濡れていました。
白いタンクトップにグレーのスウェットパンツという部屋着姿の彼女は、いつも通りの鼻にかかった甘ったるい声で「すいませ~ん、ありがとうございま~す」と言って、私を迎え入れてくれました。
缶ビールを部屋の奥へ持って行き、財布を取って戻ってきた彼女を見たとき、私はあることに気づいてしまいました。
お風呂上りだからなのか、彼女はタンクトップの下には何も身に着けておらず、胸のふくらみの上に乳首が浮き出ていたのでした。いわゆる胸ポチとか乳首ポチというやつです。
まさかそんな光景にお目にかかれるとは思っていなかったので、彼女が財布からお金を取り出すあいだ、私はここぞとばかりに彼女の「乳首ポチ」を拝ませていただきました。
そのとき、部屋の奥から主人と思われる男性が子供に何か話しかける声が聞こえてきて、私は一瞬にして現実の世界に引き戻されました。
お釣りを渡すとき、私はもういちど彼女の胸に目をやりました。
すると、その視線に気づいたのか、彼女が口もとにいやらしい笑みを浮かべて私の顔を見てきました。そして、お釣りを受け取りながら私の手をわざとらしく触ってきたのでした。
「中へお願いできますか~?」
夏になると、缶ビールの注文を受けるペースが少し早くなってきました。同時に彼女の服装も露出度が高くなっていき、タンクトップやショートパンツ姿でいるところをしょっちゅう見かけるようになりました。
配達に行くと、グラスにジュースを入れて出してくれるようにもなりました。
近所へ缶ビール1ケース持って行くくらいたいして重労働でもないのですが、配達に行くたびに飲み物を出してくれるので、「お気遣いなく」と言いながらも、私も心のどこかでそれを目当てにしてしまっているところがありました。
先輩従業員に話すと、「そのうち媚薬でも盛られるんとちゃうか」と皮肉を言われました。
近くの小学校で盆踊りが行われた日でしたから、8月に入ってすぐだったと思います。
夜7時頃、彼女の家に配達に行くことになったのですが、その日はいつもと違い、500ml缶2ケースと350ml缶1ケースの注文でした。3ケースとなるとかなりの重量です。私は家の前まで台車に載せて行きました。
彼女がドアを開けると、私は1ケースずつ運び入れ、上り口のところに置きました。
それを見ていた彼女が、「すいませ~ん、中へお願いできますか~?」と、また鼻にかかった甘ったるい声で言いました。
彼女の誘惑にすっかり慣れてしまっていたせいでしょうか。「中へお願いできますか~?」という言葉に敏感に反応してしまった私は、一瞬あらぬことを考えてしまいました。
家の「中」ではない、べつの「中」をイメージしてしまったのです。
「え?」と聞き返した私に、彼女が意味深な笑みを浮かべたように見えました。
「キッチンのところまで持ってきてもらっていいですか~?」
「あ、はい、わかりました」
私は靴を脱いで彼女の家に上がりました。
時間的に考えて主人が帰宅している可能性が高いと思いましたが、予想に反して家の中はしんとしていました。子供の姿もありませんでした。小学校のほうから聞こえてくる盆踊りの賑やかな歌や太鼓の音のせいで、家の中の静けさがいっそう深く感じられました。
彼女に案内され、私は缶ビールを1ケースずつキッチンへ運び入れました。
この日も、彼女はTシャツにショートパンツという露出が高めの服装をしていました。
彼女の綺麗な脚をチラ見しながら、冷蔵庫の横のスペースに缶ビールを重ねて置いていきました。
「あのぅ、箱だけ持って帰ってもらうことってできますか~?」
彼女が聞いてきたので、「できますよ。箱開けましょうか?」と私は言いました。
たまにこういう要望をする客はいて、配達先で中身だけ出して外箱を回収して帰ることがあるのです。スナックやキャバクラだと、ビールを冷蔵庫に入れる作業まで配達員がすることもあります。
外箱を開け、6本ずつパックされた缶ビールを出していくと、彼女が「手伝いまーす」と言って、私の隣に腰を下ろしました。
「キャッ」
箱を開けようとした彼女が、勢い余ったのか後ろへ尻もちをついてしまいました。
ちょっとわざとらしい感じがしないでもなかったのですが、いちおう「大丈夫ですか?」と声をかけました。
すると、彼女は助けを求めるように私のほうへ手を差し伸べてきたのでした。しかも、下唇を噛みしめて今にも泣き出しそうな表情を作っているではありませんか。
私は思わず溜め息をつきそうになりましたが、一方で、あわよくばと期待する気持ちもあり、彼女の手をとって体を起こしてやりました。
と、次の瞬間、彼女が私に抱きついてきたのです。その勢いで、こんどは私のほうが後ろへ倒れてしまい、彼女が上から覆いかぶさるかたちになってしまいました。
「ああっ」
彼女は事故を装ったように驚いた声を上げましたが、すぐには私の体から離れようとはせず、ぎゅっと胸を押し付けてきました。
私も男ですから、若い女性にそんなことをされて嫌なはずはありません。
しかし、さすがにこれはまずい展開だと思い、「ちょっと、やめてくださいっ」と言って、彼女の体を押し返して無理やり引き離しました。そのとき、手が彼女の胸に触れてしまい、一瞬、理性が飛びそうになりましたが、なんとか自分を抑え、立ち上がりました。
彼女もゆっくりと立ち上がりましたが、うつむいたまま顔を合わせようとしません。
非常に気まずい空気の中、私は急いで缶ビールの箱を開封し、畳むと、納品伝票と領収証を彼女に渡しました。
「あとで店へ来て支払いをしてください」
そう言い、私は急いで彼女の家をあとにしました。
外へ出るとすっかり日が暮れていて、うっすらと月が出ていました。
盆踊りの歌や太鼓の音を聞きながら、私は急ぎ足で店へと戻りました。
月が~出た出た~月が~出た~、あ、ヨイヨイ…
主婦との別れ
お盆休みが明けた頃から、その主婦の姿を見かけることがなくなりました。
家にも灯りがともることはなく、誰も住んでいないのがわかりました。
新しい年が明けてからも家はそのままの状態で残っていましたが、酒屋の店主が町会長から聞いた話だと、あの夫婦はすでに離婚していて、家もそのうち売りに出されるのではないかということでした。
それから3年ほど経って、あの家は売りに出されました。
現在はまた新たな家族が暮らしています。