【JapanCupid.com④】〝微笑みの国タイ〟からやって来たハーフ美女と英語でデート。

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【JapanCupid.com④】〝微笑みの国タイ〟からやって来たハーフ美女と英語でデート。

エロいい話

出会い系体験談

なかぞの 0 1,232 2019/07/29

いきなりのドタバタで…

外国人向け出会い系サイト『JapanCupid.com』を利用し始めて3年が過ぎた頃、ひとりのタイ人女性からメッセージが届きました。

半年前に日本へ来たばかりで、現在、奈良県内の日本人宅にホームステイしながら、大阪市内の日本語学校へ通っていると書かれてありました。

「マリーラット(仮名)」さん、25歳。
プロフィール写真の彼女は、一見してハーフかクオーターだとわかるエキゾチックな顔立ちで、私より10歳近く年下ながら大人びた印象を受けました。

モデルの滝沢カレンをもう少し色黒にした感じの美人でした。
そんな美人を放っておくわけにはいかないと思い、私はすぐにメッセージを返信しました。

日本語学校に通っていると書かれてはいましたが、メッセージはすべて英語でした。
プロフィールでも「日本語の能力:良い」となっていましたが、彼女が日本語を使うことはありませんでした。

何度かメッセージでやり取りしたあと、LINEを交換しました。そこからデートにこぎつけるまでは1ヵ月近くかかってしまいましたが、そのあいだにも彼女は、日本語学校での授業の様子や、自撮り写真などをときどき送ってきてくれました。写真でのちょっとした表情がすごく様になっていて、色気を感じさせる雰囲気もありました。私は早く彼女に会いたくてたまりませんでした。

ようやくデートが実現したのは、8月中旬のものすごく暑い日でした。
彼女は梅田のヨドバシカメラならいちど行ったことがあるというので、その前で待ち合わせすることになりました。

私は待ち合わせ時刻の午後5時ちょうどにヨドバシカメラの前に着き、あたりを見回しましたが、マリーラットさんらしき女性の姿はありませんでした。LINEで「いま着きました」と英文で伝えると、彼女から「いまから電車に乗ります」と返事が来ました。

私はびっくりして、「まだ奈良にいてるんですか?」と返したところ、彼女から「Yes!」と返事が来ました。

ちょっと面倒くさくなりましたが、とりあえずヨドバシカメラの中をブラブラして時間をつぶすことにしました。彼女がハーフ美女でなかったら、私はそのまま家に帰ってしまっていたかもしれません。

1時間ほど経って、彼女から「着きました」と連絡が来たので、ヨドバシカメラの正面玄関のところへ行きました。しかしどこを探しても彼女の姿はなく、「今どこにいてますか?」と聞くと、「ヨドバシカメラの前にいます」と返してきました。

私はヨドバシカメラの周囲をぐるっと歩いて回り、彼女を探しましたが、やはり見つかりませんでした。

するとしばらくして、彼女から画像が送られてきました。「ここにいます」と示された場所は明らかにヨドバシカメラではなく、べつの施設の入り口でした。

「そこはヨドバシカメラじゃないですよ」と伝えると、彼女は「???」と返してきたあと、また画像を送ってきました。見ると、建物には「LUCUA」と書かれてあったのです。

私は思わず溜め息をついてしまいました。
彼女はぜんぜん違う場所に行ってしまったようでした。

生駒駅から近鉄電車に乗り、そのあと地下鉄に乗り換えるということだったので、ヨドバシカメラの前で待ち合わせするのがいちばん便利だろうと思ったのですが、どういうわけか彼女は、JR大阪駅と直結したショッピングビル「LUCUA osaka」の前へ行ってしまったのです。

すぐにJR大阪駅のほうへ向かいました。
バッグに入れていたタオルで汗を拭いながらようやくルクアの前に辿り着いた私でしたが、ここでまたひとつ問題が発生しました。

彼女が送ってきた画像が、ルクアの何階のエントランスなのかがわからなかったのです。
どの階の扉もみな同じデザインで、近くに貼られたポスターなどが少し違うだけでした。
「ルクアの何階にいますか?」と聞くと、彼女もよくわからないらしく「???」と返してくるだけでした。

そのとき3階にいた私は、エントランス付近に立っているガードマンにLINEの画像を見せ、「ここへ行きたいのですが?」と聞いてみました。

初老のガードマンは丁寧に教えてくれ、なんとかその画像の場所を特定することができました。マリーラットさんがいたのは1階で、しかも私が探していた「LUCUA」ではなく、「LUCUA 1100」という別館のほうだったのです。

彼女を見つけたとき、私は汗だくで、喉もカラカラの状態になっていました。

今までで一番頭を使ったデート

マリーラットさんは小柄な女性でした。プロフィールにも155㎝とありましたが、写真で見るよりも華奢で、かなり小顔でした。

プロフィール写真や自撮り画像では、モデルの滝沢カレンぽい顔立ちに見えましたが、実際に会ってみると、カレン違いで、カレン・カーペンター似の女性でした。アジア人の面影はほとんど感じられませんでした。

覚悟はしていましたが、彼女に日本語はほぼ通じませんでした。挨拶ていどならできるようでしたが、会話はまるっきりだめで、唯一会話が成立したのが、私が「今日は暑いですね?」と言い、彼女が「はい、暑いです」と答えたときだけでした。

あとはすべて英語で会話をすることになりました。

私は学生時代に少しだけ英会話学校に通っていたことがあって、その当時は、外国人に道を尋ねられても即座に答えを返すことができました。しかし社会人になってまったく英語を使う機会がなくなると、しょせん付け焼刃の英語力など、あっという間に錆びついてしまいました。

マリーラットさんとのデートは大変でした。彼女の英語力は生半可ではなく、ほぼネイティブスピーカーです。彼女の父親はタイ人ですが、母親がイギリス人だということで、子供の頃から家庭では英語を使っていたといいます。欧米人が多く集まる地域に住んでいて、日本へ来るまではドイツ人が経営する貿易関係の会社で仕事をしていて、そこでも日常会話は英語だったそうです。

私は常に頭をフル回転させて、何とか彼女との会話について行こうとしましたが、なかなか上手くはいきませんでした。

マリーラットさんが1時間遅れて到着し、そのあとも少しドタバタしたため、夕食を食べに行く頃には、すでに7時になっていました。店に予約を入れてなくてよかったと思いました。

この日は初めてのデートということで、少し奮発し、北新地にあるちょっとばかり値段が高めの串カツ屋で食事をすることにしました。

揚がったばかりの串カツが目の前に置かれるたびに、彼女は「これは何ですか?」と食材の名前を聞いてきました。牛肉や鶏肉くらいなら英語でも説明できますが、私の語彙力ではカバーしきれない場面も多々ありました。

彼女は明るい性格で、食事中もよくしゃべりました。
自分のことや家族のこと、日本語学校のクラスメイトや先生のことなどを話してくれました。私に対しても興味を持ってくれ、色々と質問してきました。

私もできるだけ気の利いた答えを返したいと思い、必死に頭を働かせていましたが、なかなか追いつかず、適当なワードや表現が頭に浮かんだときには、彼女はもうすでに次の話題に移ってしまっているという有様でした。

せっかく美味しい串カツを食べに行ったのに、私は会話についていくことにばかり意識が集中していたせいで、ゆっくり料理を味わう余裕もありませんでした。終ってみれば、自分が何を食べたのかもほとんど覚えていませんでした。

店を出ると、もうすっかり日が暮れていました。彼女が服を買いたいというので、H&Mへ行ったり、茶屋町のファッションビルへ行ったりして、彼女のショッピングに付き合いました。

地下鉄の梅田駅まで彼女を送って行ったとき、そこで、今日の串カツがすごく美味しかったことと、よかったらまた会ってほしいということを彼女から言われました。

会話がスムーズに運ばず、あまりいい印象を与えなかったのではないかと思っていた私は、彼女からまた会いたいと言われ、正直うれしくなりました。

「じゃあ、また近いうちに会いましょう」と私が言うと、彼女は嬉しそうに「ありがとう」と言い、ハグしてきました。

公衆の面前でいきなりハグされて少し恥ずかしかったのですが、彼女との初デートを良いかたちで終わらせることができてよかったと思いました。

2度目のデート当日、またしても不運に見舞われ…

初めてのデートから1ヵ月も経たないうちに、マリーラットさんのほうから食事の誘いがありました。彼女は焼肉が食べたいと言い、また梅田のヨドバシカメラの前で落ち合うことになりました。「こんどは場所を間違えないでね」と私は念を押しました。

ところが当日、またしても不運な出来事が起きてしまったのです。

私が女性とデートをすると、どういうわけか問題が起きるのです。お気に入りの中国人エステ嬢がストーカー被害に遭っていて、そのとばっちりを喰ったり、相手の女性が酔った外国人の男にからまれたり、はたまた中国料理店での食事中に、バットや鉄の棒を持った四人組の男が殴り込んできたり…。

私は自分自身の不運を呪いました。なぜこんなことばかり起きてしまうのか…。

私がそろそろ家を出ようと準備をしているとき、マリーラットさんから連絡があり、怪我をしてしまって食事に行けなくなったと言われました。

電車に乗るために駅の階段を上っているとき、サラリーマン風の男性に足を踏まれ、足の指と甲の部分を骨折してしまったというのです。

救急車で病院へ運ばれ、治療を受け、今はホームステイ宅に戻っていると書かれてあり、足に包帯を巻いて寝ている彼女の画像が送られてきました。

「明日からしばらくタイに帰ります」という彼女。「食事に行けなくなってごめんなさい。こんど埋め合わせをします」という英文のあとに、日本語で「ごめんなさい」と書かれてありました。

「今はとにかく安静にして、元気になったらまた会いましょう」と返事をし、私は深い溜め息をつきました。

4か月越しのデートで急接近

2度目のデートがようやく実現したのは、年が明けた1月下旬のことでした。
日本へ戻ってきたマリーラットさんは、足の怪我も完治し、すっかり元気になっていました。

彼女はタイに帰っているあいだも、LINEで頻繁に連絡をくれていました。車椅子に乗った写真が送られてきたときは心配になりましたが、その後は順調に回復し、日々の生活の様子などを写真に撮って送ってきてくれました。

前回と同じように、また梅田のヨドバシカメラ前で待ち合わせをしました。日曜日だったため、梅田の街は人で溢れていました。

冬らしいモノトーンコーデに身を包んだ彼女は、メイクの感じもやや濃いめで、夏に会ったときよりも大人びた印象を受けました。見るからに西洋人らしい顔立ちということもあってか、この日の彼女にはどこか周囲の目を惹くものがありました。

先に夕食を食べに行くことになり、何か食べたいものはあるかと聞くと、彼女は私に任せると言いました。私もあちこちの店を知っているわけではなかったので、とりあえずハズレがなさそうな、デパートの中に入っている店で食べることにしました。

阪急百貨店へ行き、ジャンルに偏りがなさそうなレストランを選んで入りました。
すごく静かな雰囲気の店内で、どの客も静かに会話しながら静かに食べていました。

マリーラットさんはこの日も饒舌でした。私は相変わらず聞き役でしたが、この4か月間、LINEの英会話アプリで少し勉強していたので、前回よりはスムーズに言葉を口にできるようになっていました。

私はライスを食べながら、90年代に起きた「平成の米騒動」の話に触れ、あのとき日本にかなりの量のタイ米が輸入されたことなどを話しました。彼女は「日本の米のほうが美味しい」と言いました。

食事を終えると、今回もまた彼女は服を買いたいと言いました。

ユニクロはタイでも買えるから、日本でしか買えないブランドがいいと言う彼女の要望で、ちょうど近くにあった「ナノユニバース」の店に入りました。試着するたびに、似合ってるか、サイズは合っているかと私に聞いてきました。だいぶ迷った末、セーターとジャケットを買って店を出ました。

「このあと、どこか行きたいところある?」私が聞くと、彼女は少し考えてから、
「カラオケに行きたい」と言いました。
近くに「ラウンドワン」があったので、そこへ行き、2時間ほどカラオケを楽しむことにしました。

部屋に案内されると、店員の若い女性が操作方法や店内でのルールについて説明してくれたのですが、私のほうを見つつ、きょろきょろとマリーラットさんのほうに目をやっていました。なんとなく、日本語で説明してよかったのかどうか気になっている感じでした。

さあ歌おうという段になって、問題が発生しました。リモコンがまったく機能しないのです。曲番号を入力し送信しても、電波が出ていないのか、まったく動きません。

店員を呼び、確認してもらいましたが、やはり機能せず、空いている別の部屋に移動することになりました。

ところが、案内された部屋は20~30人くらい入れそうな大部屋で、私は思わず笑ってしまいました。「ここしか空いていないので…」と店員に言われ、キャンセルして店を出ようかとも考えましたが、他へ行ってもおそらく混雑しているだろうと思い、仕方なくその大部屋で我慢することにしました。

それにしても広すぎました。100インチのスクリーン設置されていて、段差の付いたステージまでありました。そんな中にふたりでポツンと座っているのは、なんともいえない居心地の悪さがありました。

しかし彼女のほうはそれほど気にしていない様子で、カラオケを楽しんでいました。
彼女は日本の歌をたくさん知っていて、すごく上手に歌いました。タイで老若男女問わず人気があるのはテレサ・テンの「時の流れに身をまかせ」なのだといい、彼女はそれを熱唱してくれました。

1時間ほど歌って少し休憩しているとき、マリーラットさんが大きく伸びをしたと思うと、私の肩にもたれかかってきました。そして「今日は楽しかったです」と日本語で言い、にこっと笑いかけてきました。

私は思い切って彼女の肩に手を回してみました。彼女は嫌がる様子は見せず、それどころかさらに体を寄せてきました。彼女の唇に軽くキスをすると、恥ずかしそうに顔を赤らめ、こんどは自分から求めてきました。

しばらくソファーの上でイチャイチャしていましたが、さすがにこんな場所で最後までするのは彼女も嫌だろうと思い、店を出て他の場所へ行こうと、彼女を誘いました。

彼女は私の腕に手を回し、無言でついてきてくれました。

兎我野町の歓楽街を歩いているあいだ、彼女は興味深そうに、辺りをきょろきょろと見回していました。タイにもこういう地域はあるが、自分とは縁のない場所で、実際に足を踏み入れたことはないと言いました。

私たちは歓楽街のはずれにある古いラブホテルに入りました。
広い和室に大きなベッドが置かれた部屋で、彼女は「こんなホテル初めて見た」と言って、すごく驚いていました。

マリーラットさんとの初めてのセックスは、淡々と進んだ感じでした。彼女は初め、積極的にキスを求めてきましたが、そのあとは終始受け身で、大きな喘ぎ声を出すこともなければ、体でビクビク反応を伝えてくることもありませんでした。

2戦交えてシャワーを浴びたあと、ベッドに寝そべってまったりとした時間を過ごしました。彼女がスマホを取り出し、見てほしい動画があると言いました。

日本語学校で授業の一環として行われた演劇の動画でした。色々な国の人たちが、みな日本語を使って劇を披露していました。画面に自分の姿が映ると、彼女は恥ずかしがり、手で目隠しをして見ないようにしていました。

ホテルを出たときには、だいぶ人通りも少なくなっていて、空気は冷たく、ぴんと張り詰めたように感じられました。

地下鉄の駅まで送ると、別れ際、彼女はまたハグしてきました。
「また会いたいです」と日本語で言われ、私は「また連絡します」と言って別れました。

長いお別れ

3月のなかば頃に、また彼女と会いました。
洋画を見たあと、彼女の希望で、夜景が見える展望レストランで食事をしました。
食事が終わると、今回もまた兎我野町のホテルへ行き、セックスをしました。

そこで、彼女から思いがけない言葉を聞かされました。
3月いっぱいで日本語学校をやめ、タイに帰るのだと言われました。
それを聞いて正直ショックでしたが、彼女が決めたことだから仕方ないと思いました。

「もう日本には戻ってこないの?」と聞くと、今後はずっとタイで暮らすことになると思うが、日本へはまた必ず来ると言いました。

「ちょっと寂しくなるねぇ…」と私が言うと、彼女は涙ぐみ、「わたしも寂しい。でもまた会えるから」と言い、私の体を強く抱きしめてきました。
今後もLINEで連絡を取り合うことを約束し、彼女と長いお別れをしました。

それから4年経って、再びマリーラットさんと会うことができました。
4日間だけ観光で日本に滞在するという彼女から連絡をもらい、ふたりで食事をしました。

彼女は友人ふたりと来日したのですが、私のために1日だけ時間を空けてくれたのでした。
翌月に彼女が誕生日を迎えることを知っていたので、私は少し早めの誕生日プレゼントを渡しました。
別れ際、彼女は「今度はあなたがタイに遊びに来てください。待ってます」と言いました。

あれから彼女とはいちども会っていませんが、連絡は取り合っています。
クリスマスや正月には、必ず何か面白い動画を送ってくれます。
そのうち機会があれば、彼女に会いにタイへ行ってみたいと思っています。

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当コラムコーナーは、実話もフィクションも入り混じっています。読み物エンターテイメントとしてお楽しみいただく目的で掲載しており、記事の行為を推奨したり、犯罪を助長するものではありません。

この記事を書いた人

なかぞの

大阪府生まれ。22歳で文芸同人誌に参加。文学・アート系雑誌での新人賞入選をきっかけに作家業をスタート。塾講師、酒屋の配達員、デリヘルの事務スタッフなど様々な職を転々としたのち、現在はフリーライターとして活動中。足を踏み入れるとスリルを味わえそうな怪しい街並み、怪しいビルの風俗店を探し歩いている。

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