先日、夜中に電話が掛かってきた。
友達のいないしらいしのスマホに着信があるなど、世にも奇妙な物語以外の何者でもない。恐る恐る電話を取ると、以前連絡を取り合っていた友人であった。
「夜中の電話なんて変な勧誘か宗教に違いねぇ!」とド偏見じみたことを考えながら、友人の話を聞いた。どうやらただの暇電だったらしい。
しかし会話の中で「女性用風俗に行った」と衝撃的なことを暴露してくる。元々股のユルい(失礼)子だったので、そう驚くことも無かったが、フンフンと話を聞いていた。
しかし
女性用風俗といっても、エステ店と称しているらしく、本番はなかったそうだ。それでも彼のテクニックにうっとりしてしまったらしく、また呼ぼうかと思っている、と鼻息を荒くしていた。
ちょっと興味本位で聞いていたのだけど、「金を払って本番をせがんだ」とか「キャストのチ〇コが20センチだった」「呼んだら男優の花岡〇ったが来た」みたいな爆弾ネタは何もなく、聞いていて途中で飽きている自分が居た。
淡々とキャストとの出来事を語られても、何も楽しくない。
終盤なんかトイレ掃除しながら電話してたし。「もっとこのコラムの番外編作れるくらいのネタ持って来いよ!」とかまで思っていた。
「女性も男性も、欲望は尽きねンだわ」闇金ウシ〇マくんみたいな感想を抱きながら、しらいしは電話を切った。
ちなみに、私も呼ぼうなんて気にも、なりませんでしたとさ。
前置きが長くなりましたが、泡の話ですね
前回の記事で、怪しげなソープ嬢から吉原への誘いを受けたしらいし。
やはり紹介料が絡んでいるらしく、その子は「あなたにも祝い金出るよ」と後々連絡を入れてきた。
なんとその祝い金とは5万円。入店直後すぐに貰えるわけでは無く、分割で貰うんだけどそれでも5万円はおいしい。
デリヘルを掛け持ちしていたから働ける時間がない、と告げると「週1回でもいい」とのこと。
紹介料につられて、あっさりドナドナされるしらいし。
しかし分かった上でのドナドナだ。今までのドナられちゃうあのパターンとは大きく違う。
(何の言い訳でしょうか?)
吉原、という土地の名前は知っていたけど、当然ながら行ったことは無い。
「吉原遊郭」なんていうものだから、とても煌びやかな街並みを想像していた。
初面接の日、ラブホまみれの鶯谷駅までスタッフが迎えに来てくれるらしい。
初めて足を踏み入れる地に心躍らせながら、送迎車へと乗り込んだ。
ゆらり、ゆられて住宅街へ進んでいく送迎車。「え?こんな静かなところに吉原ってあるの?」という衝撃を覚えた。
ソープランドが軒並み並んでいるくらいだから、歌舞伎町のような場所を想像していたのである。
近くには小学校もあるし、性の異世界がなぜ隣接しているのか不思議でしょうがなかった。
――そしていざ、吉原へ到着。
古びた看板、古びた建物がぞろりと横並びに広がっていた。
しかし思っていた風景となんだか違う。想像していたキラキラ感もギラギラ感もなく、ただ建物が並んでいるだけに思えた。
一軒一軒しっかり見ていけば、少し外装が凝っていたりするところもあるんだけど、だいたいの店舗は昔のラブホとなんら変わりない。
それどころか地方の市民センターみたいな入り口のところもあって、「ソープランドとは?」と一瞬わけがわからなくなった。
これ何の図?って絶対聞かれそうだから補足するけど、ソープランドのよくある入り口の図である。木がきのこの山っぽいのはスルーして欲しい。
自動ドアで、赤いカーペットが伸びていて、ラブホのように入り口横に木が置いてある。
きっと入店の際に見つかりにくくするよう、配慮がなされているのだろう。実際にラブホの入り口に生い茂る草木もそのためらしい。
もっと派手なところもあるのだけど、だいたいがこんな感じで「ちょっと地味」なのである。
ソープランドとデリヘルの違い
ソープランドとデリの違いとは何か?
そりゃあ本番があるかないかは勿論だけど、それ以外にもたくさんある。
しらいしが入店した店は任意だったけど、マットプレイがあったり、店内での衣装の指示があったりとルールがまぁ多い。
今まで私服でデリ勤務して、呼ばれて「っしゃいやせ~」と入室するあの感じとは全く違うのだ。
面接はあっさりと通過し(格安店だからね)、早速勤務かと思いきや、この店は女性講習があった。
元ベテランソープ嬢に、接客の基本やプレイの流れをみっちり教えて貰うヤツだ。しらいしは風俗業界にきてから、講習というものを初めて受けるのだ。
「めっちゃこわいババアきたら辞めよ」そう覚悟を決めていたんだけど、いざ現れたのは口調の優しいお姉さん。少しぽっちゃり目ではあったけど、どこか愛嬌を感じる。
このお姉さんとマンツーマンで、一連の流れを教えて貰った。
確かにここは格安店だったのだけど、タオルの畳み方やボディ洗い(女の子が体を使ってお客様を洗体する)などを徹底しているようで、かなりきっちり教わった。
通常なら安い店はあまりボディ洗いなどをやらないらしい。
今は安い店が溢れているから、そういった似たような店舗と差別化を行うためにやっていたそうである。
ぶっちゃけ今までテキトーデリ嬢&オナクラ嬢をしていたために、一つ一つにルールが存在することに慣れなかった。
ボディソープで作るフワフワな泡の立て方なんて知らなかった。適当に手に取ってべっちゃ~と客の体に塗りたくっていたからである。
本当に全てが衝撃的で、講習は実に面白いものだった。
吉原で働くことに抵抗を覚えていたけれど、ちょっとだけ勤務が楽しみになった。
そんな気分に水を差す奴、あらわる
いざ泡姫デビューの前日のことだった。
吉原で講習を受けて、少し背筋が伸びた気がしたしらいし。いつも出勤していたデリヘルしっかり接客を行っていた。
「今日も疲れた……」いざ待機室を後にした瞬間、電話が掛かってきたのである。
「しらいしちゃん?こんな夜に、ごめんね!今大丈夫かな?」
ソープランドの店長だった。デビュー1日前、体調の確認とか、予約が入っているとかの電話かと思っていたのだが
「紹介してくれた〇〇ちゃん、何かあったのかな?」
と少し緊張感迫る声でいうのである。
こりゃ飛んだな、と思い「いや、何も連絡とか来ていません」と答えたところ、案の定だった。
元々紹介料を貰って飛ぶつもりだったのだろう。退店前の最後の悪あがきだ。
なぜ飛んだのかは知らないけど、彼女はもう二日ほど無断欠勤をしていたそうだった。
「辞めた後の穴埋めとして紹介されたのかしら」なんてことを考えつつ、電話を切った。
そこに「ぶっ飛び紹介料泡姫」が加わったのだから、実に濃いラインナップとなる。
悲しいけれど、やっぱ風俗嬢って変わりもんが多いなぁ……。自分もだけど。
次回、ついに初勤務です
まさかの初勤務情報は次回にずらすスタイルでお届け。
ちなみにこのソープランド、衣装は自由でコスプレでもベビードールでも何でもよかった。
しらいしはケチって安いベビードールを着ていたけれど、ベテランのキャストは自前のコスプレや高いドレスを着用していた。さすがプロのセカイ。
さぁ、ついにお客様とご対面!ソープランドの客に、しらいしはきちんと向き合えるのか!?それともまた地雷をかますのか!?
乞うご期待!
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