いつ頃からだろう。頭にターバンを巻いたインド人の男を見かけなくなった。
昔は(少なくとも私の子ども時代は)ターバンを巻いたインド人の男をときどき街中で見かけたし、インド人といえば必ずターバンを巻いているものだと、子どもの頃の私は思い込んでいたものだが…。
【この記事でわかること・目次】
風俗における外国人利用客の存在
ターバンの話はさておき、最近、日本国内の風俗店で外国人利用客の数が増えてきているという話を耳にする。
その大部分は中国や台湾からのインバウンド客だが、中にはオーストラリアや旧共産圏から来たという男性客もいるそうだ。
風俗といっても様々なジャンルがあるが、外国人観光客が主に利用するのはソープランドだと言われている。
「お金を払って女の子と遊ぶ=売春」という考え方なのか、本番行為が認められているソープランドを選ぶことが多いようだ。
中には大阪の飛田新地など新地系風俗へ足を運ぶ外国人観光客もいる。先日、所用で出かけた帰りに飛田新地の周辺をブラブラしてみたのだが、たしかに外国人の姿がちらほら目についた。
景気回復への頼みの綱としてインバウンド政策を打ち出している日本政府と、円安を背景に日本を訪れる外国人観光客。
コロナ騒ぎの影響もあって景気の低迷が著しい風俗産業も今後、積極的に外国人利用客を取り込むようになっていくのだろうか。
日本人の若い世代で風俗離れが進んでいる中、近い将来、外国人利用客に頼らざるを得なくなる状況になるかもしれない。観光客だけでなく、日本で職を得て生活する外国人定住者の利用も増えていくのではないかと、私は予想している。
初めて風俗でインド人を見かけた日
今から10数年前、大阪市内某所の中国人ホテヘルへ遊びに行ったときのこと。ゴールデンウィーク中だったせいかホテルのロビーはいつになく混雑していた。私は中国人の女の子と並んで椅子に座り、しばらく待つことになった。
そのとき、インド人を見かけたのだった。風俗へ行ってインド人を見たのはこの時が初めてだった。中国人や白人の男を見かけたことは以前にもあったが、インド人は初めてだった。
インド人の男はセーラー服姿の若い女の子と手をつなぎ、ニヤニヤしながらエレベーターから降りてきた。
「あれ、インド人?」
中国人の女の子が私の肩を叩き、小声で聞いてきた。彼女は珍しい仮装行列でも見るような目で、インド人の男とセーラー服の女の子をしばらく眺めていた。
そのホテルを利用している店で女の子がセーラー服のコスプレをしているのは1店舗だけのはず。ホテルの部屋を電車内に見立てて合法的に痴漢プレイができるのを売りにしている店だ。
インド人の男も日本の電車に乗っているうちに女子〇生の姿を見てムラムラするようになったのかもしれない。
性欲を解消するために痴漢プレイができる風俗店で遊ぶのは賢いやり方だと思う。ムラムラが溜まって下手にレ〇プ事件でも起こされたらたまったもんじゃない。
それはそうと、そのときのインド人もやはりターバンを巻いていなかったのだが、もしターバンを巻いていたとしたら、風俗で遊ぶ際もそのまま巻いた状態でプレイするのだろうか?私はそれが気になって仕方なかった。
オナクラ店で見かけた2人のインド人
2度目にインド人を見かけたのは、大阪の十三にあったオナクラ店へ行ったときだった。店舗の受付で2人のインド人が片言の日本語でわめいていた。
「なんで外国人ダメなんだよ!ふざけるなよ!」「おまえら商売する気あるのかよ!」
若い店員に喰ってかかる2人のインド人。少し酒が入っているように見えた。
じつは私は昔からインド人に対して恐怖心を抱いているので(その理由は後述する)、このときもつい警戒した。警察に通報しようかとさえ思った。
そのオナクラは外国人お断りの店だったようだ。入店を断られたインド人の男2人はさんざん毒づいた挙句、拳でカウンターを思いっきり叩いて出て行った。
しょんぼりしている若い店員。ちょっと気の毒に思えたが、近い将来このような光景も日常茶飯事になってくるのだろうか。
外国人の流入がさかんになってくると、文化や習慣の違いから日常的にトラブルが起きることが予想される。一部の地域ではすでにそうなり始めているとも聞く。
外国人お断りの風俗店はまだまだ多いが、今後はそんなことを言ってられなくなるのかもしれない。
日本人の風俗利用客が減少している昨今、風俗産業はこれからますます衰退していくのか、あるいは外国人利用客を積極的に取り込むことで既存の市場を維持していくことができるようになるのか。今後の5年間で答えが見えてくるのではないかと、私は考えている。
中国人ホテヘルには昔から外国人客がいた
日本人風俗における外国人利用客が徐々に増えてきたのは、訪日外国人の数が急速に増加し始めた2014年以降のこと。
しかし、私の知るところでは、大阪市内の中国人ホテヘルでは今から15年以上前にすでに外国人利用客は一定の割合を占めていた。
その大部分は日本に定住している中国人や台湾人だったが、中にはロシア人やインド人の客もいて、私も何度か店の受付や待合室でそういった人種の男を見かけたことがあった。彼らが出て行ったあとの待合室には、決まって香水の匂いが充満していた。
「痴漢」が大好きなインド人の男
私と付き合いのあったある中国人ホテヘル嬢が、こんな話をしていた。
「日本人がいちばん優しいくて親切な人が多い。中国人の男はあんまり優しくない。ヨーロッパの人(たぶんロシア人のこと)は5千円チップくれた。インド人は『痴漢したい、痴漢したい』そればっかり言う」
『痴漢したい』ばっかり言うインド人に興味がわいた。どういう意味なのかとその中国人嬢に聞くと、インド人の男はセックスすることよりも女性の体に触れることに執拗にこだわるという話だった。
服の上からにおいを嗅いだり、執拗に髪を触ってきたり、スカートの中に手を入れて尻を撫でまわしたり…。そういうセックスの前戯とも言えないような行為にこだわるというのだ。
中国人嬢が服を脱ごうとすると、「もっと痴漢したい」と言って、なかなか服を脱がせてくれなかったそう。
そのインド人の男がたまたまそういう趣味だっただけじゃないのかと私が聞くと、彼女は「もうひとりのインド人も同じだった」と、ちょっと不機嫌そうな顔で言った。
べつのインド人の男を接客したときも同じように服の上から執拗に撫でまわされたらしく、「コスプレできる?」と聞かれたという。
彼女が働いていた店ではいちおう何種類かのコスプレ衣装を扱っていて、次に来店したとき、そのインド人は彼女にセーラー服のコスプレをさせたそうだった。
セーラー服姿の彼女を見て大喜びしたインド人の男は、前回以上に熱心に「痴漢」プレイを楽しんだようだ。
景気回復のカギはインド人が握っている!
その話を聞かされた私は、前述の電車痴漢プレイができる店で遊んでいたインド人のことを思い出した。
ひょっとすると、インド人の男は日本人の男に近い性的嗜好を持っているのではないかと思った。本番行為がNGの風俗店でもじゅうぶん満足できる、ある意味マニアックな楽しみ方を知っているのかもしれない。
そういえば、インド国内の若い世代では、日本と同じようにアニメや漫画、アイドルに熱中するオタクが増えているとも聞く。
そう考えると、今後、日本の風俗店はインド人客を取り込むことで売り上げを伸ばし、景気回復につなげていける可能性があるのではないか。
現在、日本に定住するインド人の数は増加傾向にあるから、需要はじゅうぶん期待できる。日本の風俗産業をこれ以上衰退させないためにも、インド人の男にもっと日本の風俗を知ってもらうための働きかけを積極的に行っていくべきではないだろうか。
インド人に追いかけ回される恐怖
私は中学2年生のとき、香港の街中で真昼間にターバンを巻いたインド人の男に追いかけ回されたことがあった。
家族旅行の3日目の朝、香港の街の雰囲気に少し慣れた私は、「ちょっと散歩に行ってくる」と両親に言い、弟とふたりでホテルの周辺を散策してみることにしたのだった。
私たちが泊まっていたホテルの周辺には欧米人の姿が目立った。私と弟が歩いていると、彼らの多くは「ハロー!」と笑顔で挨拶をしてきた。
海沿いの広場で太極拳の練習をしている中国人の一団の横を通り抜け、街の中心部をぐるぐる回って、またホテルのほうへと戻ることにした。
横断歩道で信号待ちをしている私たちから数メートル離れたところに、ターバンを巻いた背の高いインド人が立っていた。
不意にそのインド人が鼻をかみ始めた。素手で。ハンカチもちり紙も持っていなかった。
インド人が素手でご飯やカレーを食べるという話は聞いたことがあったが、鼻をかむのも素手なのかと、私はちょっと驚いた。
そのインド人は鼻をかんだ手を何度も執拗に電柱になすりつけていた。その様子を見ていた弟が、「うわー、汚なっ!」と言った。私は思わず吹き出してしまった。
すると、それに気づいたインド人が鬼のような形相でこっちを睨みつけ、何やら語気鋭く言い放つと、大声でわめきながら私たちのほうへと向かってきたのだった。
信号が変わるやいなや私と弟が駆け出すと、インド人も走って追いかけてきた。サーベルで切り殺されるのではないかと思い、私たちは無我夢中で逃げた。
通りすがりの白人男性が何やら強い口調で言葉をかけてきたが、私たちは気にせず走り続けた。
海沿いの広場まで来て、再び太極拳の一団の横を通り抜けたときには、もうインド人の姿はなかった。
あれ以来、私はインド人を見かけるとつい身構えてしまう。また追いかけ回されるのではないかという恐怖が込み上げてきて、できるだけ目を合わさないように急ぎ足で彼らの横を通り過ぎる。
近い将来、日本の風俗店にインド人が頻繁に出入りするようになったら、私は受付や待合室で彼らの姿を見かけるたびに、香港でのあの恐ろしい出来事を思い出すのかもしれない。