【実録風俗業界裏話】風俗嬢と肉体関係を持つリスク
高杉のスカウトマン時代の経歴
「逮捕…って何をしでかしたんですか?」
郷田はソファに座り直し、『少し長くなるけどいい?』と、尋ねる。
私はタバコを持ちながら、首を縦に振った。
『当時はまだ、スカウトマンの規制も緩くてさ、どこもイケイケだったのよ』
『で、高杉さんも結構無茶やるタイプで、他のスカウトマンの女の子とかを平気で横取りしちゃうワケ』
『もちろん会社をでかくするために動いてくれてたわけだから、誰もその行動を咎める人間なんていないよね』
『そんで高杉さんがどんどん女の子集めてくるから、俺たちも「高杉さんは凄い!」ってなってたの』
郷田社長は、フーッとタバコの煙を吐き出し灰皿に灰を落とす。
『でもそれを良しとしない人間が、うちに一人だけいたんだよ』
「それってもしかして…」
『そう、うちのグループの現会長。もう一人の創設者』
「…同じ創設者である仲間なのにどうして」
疑問は深まるばかり。
私はタバコの火を消し、残ったコーヒーを飲み干した。
高杉がなぜ逮捕されたのか
『まぁ俺から見た感じだと、信頼を奪われるのが怖かったんじゃないかね』
「信頼…ですか」
『ほら、高杉さんって傍若無人だけど妙にカリスマ性はあるじゃん?あれにちょっと嫉妬に近い感情を覚えたんじゃないかと』
「なるほど…それは確かにありえるかもしれませんね」
今の高杉を思い浮かべてもその節はある。
ワガママな振る舞いの割には、様々な業界の人間とコネクションを持っている。
あれは一種のカリスマ性だろう。
『そんなある日、高杉さんは傷害罪で逮捕される事になる』
『訴えを出してきたのは他のグループのスカウトマン数名』
『まぁ時代が時代だったから、スカウトマン同士の喧嘩なんて日常茶飯事だったのよ』
『でもまさかスカウトマンなのに警察使ってくるやつがいるなんて思ってもみなかった』
ハァ、と郷田社長はため息をつく。
当時のことを思い出して、感情が込み上げているのだろうか。
「そうですよね、まさか警察に相談されるなんて」
『まぁ、その時点で少し察しはついたけどね』
「何にですか?」
『高杉さんがハメられてるって事に』
唯一の仲間であるはずの人間に裏切られた高杉
「つまり現会長が、向こうのスカウトマンと結託して、逮捕まで裏引きした…と」
『決定的だったのは、高杉さんが警察に連行された後だよ』
「なにかあったんですか?」
『なにも無かったんだよ…。まるで高杉さんなんて初めからいなかったみたいに、会長は平常運転』
『俺達が高杉さんの名前を出そうとしても「その件はいいから」って誤魔化されるんだ!』
不快感を表す様に郷田社長は眉間にしわを寄せる。
「なんか…恐ろしい話ですね」
まさかそんな過去が高杉にあったなんて、思いもしなかった。
あの人の性格なら、出所したあと殴り込みに行きそうな気がしなくもないが…。
ふと時計をみると、ここに来てからもう2時間が過ぎようとしていた。
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